カフェレーサーのルーツをざっくり紹介
Ton-Up-Today カフェレーサーのさいきん その3
カフェレーサーのルーツを辿ると、もともとは40年代後半から50年代にかけてアメリカの南カリフォルニアで興ったバイカーズのシーンの流れを汲みます。
バイカーズは時代が時代だけに、爆撃機のかわりにハーレー・ダビッドソンに乗るというスタンスで、革ジャン、軍隊支給のTシャツ、ロールアップジーンズ、エンジニアブーツを着るスタイル。
これもカフェレーサーとは別で、いまのストリートカルチャーの源泉になったシーンのひとつです。
イメージソースとして、マーロン・ブランド主演の「乱暴者 (あばれもの) 原題:The Wild One」が有名です。
その後アメリカではバイカーズからヘルズ・エンジェルズに流れていきますが、海を越えたイギリス・ロンドンでは「doing the ton」を合言葉に、トライアンフ、ノートン、BSAなどのブリティッシュツインで時速100マイル(時速160キロ)突破を目指すトン・アップ・ボーイズ(Ton-Up Boys:別名コーヒーバー・カウボーイズ、レザーボーイズ)が出てきます。
「Live Fast Die Young」と新聞でよく報道されたそうです。ロック好きなら1度は耳にしたことのある有名な言葉ですね。
イメージソース:イギリスのオートバイアパレルブランド、ベルスタッフが2015年に発表したTon-Up Boysをイメージして製作したビデオ
その次世代として出てくるのがロッカーズです。
バイカーズの流れを汲む革のブラックライダースジャケットにロールアップジーンズ、エンジニアブーツといった出で立ちで、バイカーズとの違いはピンバッジやスタッズでカスタムされたライダースジャケットと、首に巻かれた白のスカーフやマフラー。これはトン・アップ(時速100マイル超え)を達成したライダーが、その証として首に白いスカーフを巻くスタイルから来ています。
このスタイルは世界中に影響を与えていて、昭和の仮面ライダーが首にスカーフを巻いているのもそのひとつ。
このロッカーズがたまり場としていたのが24時間営業していたカフェ「Ace Cafe(エースカフェ)」で、ロッカーズがカフェからカフェの区間をどれだけ速く走ることが出来るかを好んだのが『カフェレーサー』の名前の由来です。
カフェレーサーと呼ばれるバイクの中でも一番人気だったのはノートンのフレームにトライアンフのエンジンを積んだトライトンの名で知られるカスタムマシン。
ストリートカルチャーと音楽が結びつきだしたのも、このロッカーズの頃から。先代のトン・アップ・ボーイズとの違いもそこで、バイクと同じくらいロック好きというところにロッカーズの名前の由来があります。
ロッカーズといえば必ず出てくる話がモッズとの抗争です。
R&RのロッカーズとR&Bのモッズ、64年のブライトンビーチでストリートカルチャー初の”スタイル・ウォー”が勃発。
この辺のことは映画「さらば青春の光 原題:Quadrophenia」で見れます。
当時、毎週末のように争いを繰り広げていたロッカーズとモッズの話も今は昔、50年後の現在は同じイベントに仲良く集う姿が見られるようです。