家具デザイナー・ジョージ・ウッドマン。
デザイナーだけでなく大工として自分自身で家具やインテリアを作ったり、また、サーフボードやスケートボード、木工芸品も作るそうです。
そんな家具デザイナーのウッドマンがカスタムバイクのシーンで注目されるようになったのは、ここ数年の話で、それはこの木で出来たカウルを付けたHONDAの50ccカフェレーサーが話題になったから。
見たことがある人も多いはず。
ビンテージとかレトロとか、そんなのを飛び越えて謎のインパクトを残すカフェレーサーです。
当然、YAMAHAのレーダーにも引っかかり、ウッドマンの元へXSR700が送られてきました。
カスタムベースになったXSR700
他のヤードビルトカスタムビルダーが、ハンマーや溶接機を手にXSR700に向かっているところ、ウッドマンは木工の道具を手にXSR700に向かいます。
XSR700 ‘Hanko’ by Woodman
ヘッドライト、ラジエーターサイド、チェーンの上には、マカッサルエボニーから作られた木製のパネルがのります。スケートボードを製作するときに使用される技術と同じものを駆使して曲面を作っているそうです。
フロントカウル
マカッサルエボニーを加工して製作されたフロントカウル
このXSR700カフェカスタムは、楽器のYAMAHAとオートバイのYAMAHA、二つのジャンルの統合を目指したそうで、インスピレーション元になったのはYAMAHAが25年振りに発表したニューモデルのギター「RevStar」。「ハンコ」という名前もギターに刻印されているハンコマークから取ったもの。
(出典:yamaha.com)
[YAMAHA RevStar]赤い枠の中に「レブスタ」の文字ロゴが入ったものがハンコマーク。
ラジエターサイドカバーもマカッサルエボニー。
ウッド以外のパーツは、
Jeep用のAngel Eye ヘッドライト(LEDプロジェクターヘッドライト)
S2 Conceptのハンドル
K&Nフィルター
Ixrace Z8マフラー
前後ともOlhins(オーリンズ)のサスペンション
Gilles Toolingのバックステップ
LEDテールランプ埋め込みカスタムループフレーム
Pirelli(ピレリ)のディアブロ スーパーコルサ SP
タンクカバー
そして、問題のタンクカバー。このカスタムタンクカバーはFRPで作ったのかと思いきや、コーリアンを成形して作られています。コーリアンとはフランス・デュポン社のハイテク素材で、アクリル系人工大理石だそうです。なんじゃ?そりゃ!?って感じですが、高級キッチンの台とかに使われている素材だそうで、本業が家具デザイナーというウッドマンならではの素材選び。石なのか樹脂なのか、軽いのか重いのか、どのぐらいの耐久性があるのか?興味は尽きないですね。
成形作業中の動画。粘土というか石膏のような感じに見えますね。
フロントフェンダーとアンダーカウルも同じくコーリアンで出来ています。
個性的なマシンが数多く登場するヤードビルトの中でも、確かなインパクトを残しているカフェレーサーに仕上がっています。
ホイール&ウェイブスのPunk’s Peakで行なわれたレースでは、他のヤマハヤードビルトマシンとレースをしたようですが、なんとこのウッドを纏ったカフェレーサーが他のビルダーのマシンを差し置いて優勝したそうです。
このウッドパーツ、生産に向けて準備中とのこと。
出典
yamahamotorsports.com 「Yamaha Yard Built – XSR700 by Woodman」
Return of The Cafe Racers「Hanko – George Woodman’s Yardbuilt XSR700」