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UKジャズ新世代の活況を伝える9組
UKのニュージェネレーションジャズシーンがにわかにザワつき始めた2017年。年末には、かのジャイルス・ピーターソンの年間トップチャートにもシーンのアーティストのアルバムが名を連ねていました。この勢いで2018年はさらに注目を集めるだろうと思われていた矢先、ジャイルス・ピーターソンがUKニュージェネレーションジャズにフォーカスしたコンピレーションアルバムをリリースするとアナウンスがありました。
Gilles Peterson presents new generation of UK jazz on We Out Here https://t.co/E2hTtwQWCC pic.twitter.com/h7sKI6iGoL
— Jazzwise (@Jazzwise) 2018年1月2日
ジャズを軸に置きながら世界中のヒップな音楽を紹介し続けているジャイルス・ピーターソン。彼のコンピレーションに参加したことがきっかけでブレイクしたアーティストも多く、このコンピレーションはUSのジャズシーンとは違う魅力を持つUK新世代ジャズシーンを世界に紹介するショーケースとなりそうです。収録されるアーティストは、Maisha、Ezra Collective、Moses Boyd、Theon Cross、Nubya Garcia、Shabaka Hutchings、Triforce、Joe Armon-Jones、Kokorokoの9組。
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コンピに参加するアーティストたち
一足先に参加アーティストをチェックしていきましょう。
Maisha(マイシャ)
ドラマー・Jake Long主導のスピリチュアルジャズユニット「Maisha」。バンドコンセプトはアリス・コルトレーンやファラオ・サンダースといった往年のスピリチュアルジャズサウンドとアフロビート&アフリカンリズムの融合。Jake LongはJoe Armon-Jones & Maxwell Owinの「Idiom」に参加しているドラマーです。
Ezra Collective(エズラ・コレクティヴ)
Pharoahe Monchのバックバンドを務めたロンドンの5人組。トランペット、サックスをフロントに据えた王道ジャズクインテット編成ながらアフロビート、ヒップホップ、レゲエをクロスオーバーするまさにロンドンな音楽性で注目を集めています。
Moses Boyd(モーゼス・ボイド)
Binker & Moses(ビンカー&モーゼス)のドラマー、モーゼズ・ボイドのソロプロジェクト。ザラ・マクファーレンのアルバム「Arise」ではプロデューサーを務めています。自身のプロジェクトではスペーシーな電子スピリチュアルジャズを展開。ジャンル外のリスナーへも訴求するサウンドを構築しています。
Theon Cross(テオン・クロス)
Nubya Garcia、Sons Of Kemet、Moses Boyd Exodus、Ezra Collectiveなどの作品に参加し、印象的なプレイを聴かせる気鋭のチューバ奏者。Jon E Priceが、制作したBlue Lab Beatsのドキュメンタリーで目立っていたあの人です。
Nubya Garcia(ヌビア・ガルシア)
Jake Longの「Maisha」など、様々なプロジェクトに参加するシーンの顔的女流サックス奏者。
Shabaka Hutchings(シャバカ・ハッチングス)
昨年ブラウンズウッド・レコーディングズからデビューしたミレニアル世代のマルチインストゥルメンタル奏者。サン・ラ・アーケストラからムラトゥ・アスタトゥケ、ジョニー・グリーンウッドとの仕事や自身のShabaka And The Ancestorsでの活動、ザラ・マクファーレンのアルバム「Arise」に参加と大活躍中。
Triforce(トライフォース)
Jazz Re:freshedの5iveシリーズからのリリースで注目を集めたキーボード、ギター、ベース、ドラムの4人編成バンド。ざっくりいうとUKのブッチャー・ブラウン。
Joe Armon-Jones(ジョー・アーモン・ジョーンズ)
Ezra Collectiveのピアニストであり、Maxwell Owinと双頭ユニットでの活動やJazz Re:freshedの5iveシリーズ、Mr Jukes「God First」への参加などシーンを牽引するキーパーソン。
Kokoroko(ココロコ)
トランペッター・Sheila Maurice-Grey率いるアフロビートバンド。
リリースに先駆けてジャイルス・ピーターソン主催のブラウンズウッド・レコーディングズがプレイリストをSpotifyで公開中です。
これだけでお腹いっぱいになりそうなヴォリューム。
UKの若手アーバンブラックミュージックシーンとの繋がりも注目。
bandcampではアルバムのページが公開されています。
Shabaka Hutchingsの「Black Skin, Black Masks」が先行視聴可能です。
このコンピレーションアルバムの発売は2018年2月9日!!
リリースを心待ちにしましょう。

We Out Here(2枚組アナログレコード)
Shabaka Hutchings、Moses Boyd 、Joe Armon-Jones擁するEzra Collectiveと燃え盛る若きロンドンのジャズマン達が大集結。UKジャズの新たなる記念碑がここに。
Gilles Peterson主宰の名門より、ストリートを中心に若きジャズマンたちによって生々しい活気に満ち溢れた新たなシーンを形成しつつあるロンドン・ジャズの“現在”をリポートするプロジェクト『We OutHere』がリリース。本プロジェクトは自らのバンドthe AncestorsやSonsof Kemetを率いて、ブラック~アフロからアヴァンまで現在のUKジャズ・シーンを牽引するShabaka Hutchingsが音楽ディレクターを務め、全曲本作のために録り下ろされた新曲を収録。収録アーティストはそのShabaka Hutchingsをはじめ、若手屈指の才能として大きな注目を集める天才ドラマーMoses Boyd、そして今最もアルバムが待たれている件伴奏者JoeArmon-Jones、そのJoeもメンバーとして名を連ねている南ロンドン・ストリートを席巻するEzra Collectiveなど今最も注目すべきアクトが集結。アシッド・ジャズやブロークン・ビーツの遺伝子を引き継ぎながら、エレクトロニカからダブまで様々な音楽要素を折衷してきたUKジャズの歴史を60年代のハード・バップの如き熱量で再生した現代ジャズの真骨頂にして、記念碑となるべき作品がここに誕生した。