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UKジャズシーン:2018年の注目ジャズミュージシャン

2017年のジャズシーン

先日ニューヨークタイムズに「Is Today’s Jazz Finally Outrunning the Past?(今日のジャズはいつか過去のジャズを凌駕する?)」という記事がアップされました。記事中には2017年のジャズシーンを俯瞰するこんな一節が。

“(2017年は)シカゴとイングランドのジャズシーンの盛り上がり、Esperanza Spaldingによる大胆で実験的なレコーディング、 Yazz AhmedとChristian Scottのクロスオーバーなどのトピックがあり、また女性が歴史的にどのようにジャズで扱われたか、そしてその虐待が今日までいかに続くかについての大きな議論の年でもありました。”

(出典:NEW YORK TIMES「Is Today’s Jazz Finally Outrunning the Past?」)

確かに振り返ってみると女性トランペッター・Jaimie Branch(ジェイミーブランチ)がシカゴのレーベル「International Anthem」からリリースしたリーダーデビューアルバム「Fly or Die」が高い評価を得て、Yazz AhmedとChristian Scottの作品が話題になり、UKで新たな聴衆を獲得したジャズがリバイバルしています。


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USとは違うアイデンティティを確立して、いま注目を集めているUKジャズシーン。
どんなミュージシャンがいるのかまだまだ情報が少ないこのシーンですが、UKのジャズマガジン「Jazz Wise」が2018年に注目のジャズミュージシャンを特集した記事「The shape of jazz to come: who to look out for in 2018」をアップしていました。その中からUKに活動の拠点を置いているミュージシャンを抜粋紹介します。


2018年に注目のUKジャズミュージシャン

Jam Experiment


トロンボーン奏者のRory Ingham(ロリー・インガム)は、優れたミュージシャンシップ、数々の賞を受賞する若いミュージシャンです。彼のメインプロジェクトであるJam Experimentには、優れた若手プレイヤーが集まっています。
(出典: Paul Pace 、Jazzwise「The shape of jazz to come: who to look out for in 2018」 )


Maisha


Maisha(マイシャ)はスピリチュアル・ジャズ、アフロビート、ドラムンベースのリズム、ヴィンテージシンセサウンドのテクスチャなどの魅力的なマッシュアップで、オーディエンスの脳天とハートとステップを踏む足を直撃します。ドラマーのJake Long(ジェイク・ロング)が指揮を執り、サックス奏者Nubya Garcia(ヌビア・ガルシア)とギタリスト・Shirley Teteh(シャーリー・テテー)を中心に、東ロンドンのChurch of Soundで彼らのセッションは啓示されてきた。
(出典:Jon Newey、Jazzwise「The shape of jazz to come: who to look out for in 2018」 )


Joe Armon-Jones


エズラ・コレクティブのピアニスト、キーボード奏者としてすでに名を馳せているJoe Armon-Jones(ジョー・アーモン・ジョーンズ)。China Moses(チャイナ・モーゼス)のピアニストでもあります。彼は現在、2018年に公開予定のソロプロジェクトと並行して、さまざまなクロスジャンルのコラボレーションプロジェクトに取り組んでいます。DJ・プロデューサーMaxwell Owin(マックスウェル・オーウィン)とのエレクトロニックプロジェクト「Idiom」は要注目。5月にロンドンのラウンドハウスで行われるLOVE SUPREMEジャズフェスティバルにこの「Idiom」プロジェクトで出演予定。ソロアルバムも完成し、2018年はかなりの引っ張りだこになりそうだ。
(出典:Chris Philips、Jazzwise「The shape of jazz to come: who to look out for in 2018」 )


Yelfris Valdes


Yelfris Valdesは、ロンドンの活気に満ちたキューバとラテンジャズシーンの期待の星で、キューバ起源のラテン音楽「ソン」の王様、シエラ・マエストロやピアニスト、ロベルト・フォンセカとの活動で名前を知られるようになりました。確かな技術に裏打ちされたトランペッターは、3年前に英国に移り住みロンドンで音楽活動を開始しました。Quantic、Dayme Arocena、Gilles Peterson、Yussef Kamaal、Henry Wuと共演。2018年にはソロプロジェクト「The World of Eschu Dina」が控えています。
(出典: Jane Cornwell 、Jazzwise「The shape of jazz to come: who to look out for in 2018」)


オンラインストリーミング(※サブスクだけじゃなく)が従来の音楽ジャンルの境界を曖昧にしている現代は、典型的なジャンルの枠組みから抜け出したサウンドを表現するミュージシャンが増えています。そしてUS以上に異文化混交の激しいUKではクロスジャンルはさらに顕著になっていきそうで、ここからどんなスタイルのジャズが生まれるのか要チェックです。