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もしPuma Blue(プーマブルー)のことをまだ知らないなら

Puma Blue(プーマブルー)

もしまだあなたの音楽レーダーにプーマブルーが引っかかっていないなら、いますぐに聴くべきです。サウスロンドンのジェイコブ・アレンは、すべての曲がエモーショナルに揺れ動き、セクシーで深みのあるパンクを注入したジャズを作る。ロンドンの最高の若手アーティストのひとりです。

(出典:Dummy Mag)

“もしPuma Blue(プーマブルー)のことをまだ知らないなら今すぐ「Only Trying 2 Tell U」を聴いたほうがいい。”
なんてキャッチコピーが溢れ変える2018年。でも、実際に聴いたことがないなら本当におすすめのアーティストで、クールなジャズのサウンドを纏いながら、オルタナティブR&Bを通過し、パンクに至る4ピースバンドの演奏をバックに、繊細な不良のポエジーが乗るファルセット。ひと言で説明するならプーマブルーはそんなアーティストで、続々と注目のバンドやアーティストが登場するサウスロンドンの出身。

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[ロンドンの最高の若手アーティスト]

カスタムバイクが好きな方はここ数年のヨーロッパシーンの盛り上がりを実感していると思いますが、実は音楽もシンクロするように盛り上がりをみせていて今年は特にUKのサウスロンドンに勢いがあります。

プーマブルーことジェイコブ・アレンが音楽をプレイすることに興味を持ったのは7歳の時。最初に手にしたのはドラムで、12歳の時にギターを弾きはじめ、ソングライティングもその頃から着手。その後ブリットスクールで2年間学んだあと、Puma Blueとしての活動を開始します。

[Bandcampで”Only Trying 2 Tell U”のデモ版を発表するちょうど1年前の映像]

昨年リリースしたEP「Swum Baby」が話題を呼び、いまや日本でも大注目のアーティストに。

まだフルアルバムを1枚もリリースしていないにもかかわらず、Spotifyの人気度は[47]と高い数値。Spotifyに登録されているプーマブルーの曲は10曲もありません。

今年リリースした「Only Trying 2 Tell U」はトップミュージシャンの作品を手掛けるエンジニアのベン・バプティ(Moses Sumney「Aromanticism」やRex Orange County、Young Fathers等)と製作。

[Puma Blue – Only Trying 2 Tell U (PV)]

「Swum Baby」から進化したサウンドを聴かせ、続いてリリースされた「Moon Undah Water」は今年前半のベストソングに挙げる人も。

海外メディアでもやっとインタビュー記事が出てきたので、興味深いQ&Aをちょっとだけご紹介します。



プーマブルーの名前の由来は?
プーマブルー「マディ・ウォーターズ、レッドベリー、ハウリン・ウルフ、メンフィス・ミニーといったブルースマンのような神話的な名前が欲しかった。若い頃から自分の音楽にブルーという言葉がしっくりくると感じていて、いつもその言葉を使うつもりでいた。プーマは想像上のキャラクターの名前で、彼は半分は酔っ払いで、半分は猫のような人物でバーにいる。バーのスツールに前かがみに座り、ウィスキーの入ったグラスが音を立てる。彼はとても魅力的でトリビュートしたかった。けど、最近はキャラクターのようには感じず、自分のあだ名のように思えてきてる。」
プーマブルー「Puma Blueは、レッドベリー、マディ・ウォーターズ、ハウリン・ウルフのような、古いブルースの人たちが持っていた跳ねっ返りのスーパーヒーローの名前へのトリビュートでした。ブルーな気分でスモーキーなバー居るくたびれたスーツに身をつつんだ年取ったワイルドキャット、こういうイメージの。 40年代後半のコミックのような。」
最も影響を受けたアーティストは?
プーマブルー「一人だけ挙げろと言われたらジェフ・バックリィ。他の誰かなんて考えられない。彼の声はとても純粋で、剥き出しのエネルギーを伝えてきた。」
[ジェフ・バックリィ – ハレルヤ]
プーマブルー「ドン・バイアスというサックス奏者がいて、歌うときのフレーズに影響を受けています。彼は粘っこいキャラメルのようなサウンドを持っている。彼が演奏する全ての音は肌の表面を転がっていくようで、本当に美しい。彼の演奏するサックスには情熱があって大好きだ。彼には大きな影響を受けている。」
[プーマブルーのプレイリストよりビル・コールマン – ドン・バイアス “Laura”]
プーマブルー「他にはフランク・シナトラの間の取り方やタイミングにも。バイオリンか何かのようだ。ジョン・フルシアンテのギターにも。彼は素晴らしくファンキーでアーシーなフィールがある。自分の演奏にはロウネスやイグノランスのようなものが残るようにしている。ジミ・ヘンドリックスも同じような理由から、ギターを楽器というより棒っきれのように扱っていたしね。」
[プーマブルーのプレイリストよりレッド・ホット・チリ・ペッパーズ “Otherside”]
影響を受けた映画や写真

アルバムのアートワークや写真などのアートディレクションについてもっと教えてください。ジェームズ・ディーンのような雰囲気を感じます。

プーマブルー「面白い褒め言葉だね!少年の頃のジェームス・ディーンのようになりたいと思っているほど、ジェームス・ディーンの大ファンなんだ!音楽のアートディレクションを考えるようになったのは、自分の音楽を白黒映画のように感じて欲しいというアイディアからなんだ。当時、ノワール映画をたくさん見ていてね。ただここ2年ぐらいはそこから離れたいと思っていた。違うことをしたくなったんだ。」
[Puma Blue – Want Me (Official Video)]
プーマブルー「白黒映画にもいくつか影響を受けるものを見つけたけど、カラー映画はもっと豊富だ。”パリ、テキサス”がある。もし見たことがあるならウォン・カーウァイの映画もいい。”花様年華”、”天使の涙”、”恋する惑星”。

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ソフィア・コッポラの”ロスト・イン・トランスレーション”。薄暗く豊かな色を使って同じフィールを作ることが出来ると気づいたんだ。たくさんのオレンジ、青、そして赤。デヴィッド・リンチからもちょっとだけ。この間まで彼の映画は見たことがなかったんだけど、彼の映画のスチール写真はよく探していた。」

the 1st rule of fight club is u do not talk about fight club

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[ファイト・クラブのタイラー・ダーデンに扮するプーマブルー。彼のInstagramを見てると映画好きなのが良く伝わってきます。]

歌い方はドン・バイアスのサックスに影響を受けているという答えは、「Only Trying 2 Tell U」を聴くとなるほどと唸ります。ウィスパーな歌声に聴こえるものの声の密度が薄くはならず、一定の密度で吐き出される声がサックス等の吹奏楽器的と言われれば確かにと納得。

[Puma Blue – Only Trying 2 Tell U (live)]

この動画も官能的

[Puma Blue – Want Me | Live From The Distillery]

今年後半に2枚目のEPをリリース予定だそうです。


出典:
Dummy Mag「Live report: Puma Blue, Omeara, London, 21/02/2018

London Evening Standard「Puma Blue interview: Jeff Buckley taught me how to sing from the soul」

Wonderland Magazine「New Noise: Puma Blue」

HERO magazine「Puma Blue is the South London crooner inspired by David Lynch and the Delta blues」

EARMILK「Artist To Watch: Puma Blue’s eclectic melting pot of influence [Interview]」


Puma Blue「Only Trying 2 Tell U」

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